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- ゲノムスケールのDNA設計・合成による細胞制御技術の創出/
- [ゲノム合成] 平成30年度採択課題
東京大学
定量生命科学研究所
講師
植物のRNAサイレンシングは人為的に導入した外来DNAの機能発現を阻害します。そのため、大規模ゲノム改変など、将来的に高機能物質生産が期待できる技術の導入を妨げると予想されます。本研究は新規試験管内系を用いた生化学に情報科学的アプローチを加えることによって、RNAサイレンシングを引き起こす隠れた法則や特徴を発見します。これを基盤として、高効率で外来DNAの発現を可能にする技術開発を目指します。
(公財)かずさDNA研究所
先端研究開発部
研究員
ヒト人工染色体は、メガベース(百万塩基対)スケールのDNA配列を搭載可能な染色体ベクターで、物質生産や細胞機能を制御するための遺伝子群・人工合成したゲノム配列などの搭載と活用が期待されます。本研究では、ヒト人工染色体の動作原理を解明するとともに、メガベーススケールまで人工合成DNAを繋ぎ合わせる技術を創出することで、ゲノムスケールのDNAをヒト人工染色体に搭載・活用するための基盤技術を確立します。
科学技術振興機構
さきがけ研究者
長鎖DNAを植物細胞に導入する技術として、in vitro受精卵または胚へ直接DNAを導入する技術の開発を行います。さらに、導入した受精卵・胚から培養変異なく植物個体を作出することを目的とします。本研究により植物受精卵や胚への長鎖DNA導入技術が確立されれば、有用植物個体の迅速な作出が期待されます。
海洋研究開発機構
超先鋭研究開発部門
副主任研究員
ゲノム複製、遺伝子発現、膜合成、エネルギー生産など、細胞の生体維持に必須な代謝を担う遺伝子から最小限のゲノム、ミニマルゲノムを構築し、無細胞転写翻訳系とともに膜小胞に内封して、人工細胞の構築を目指します。また、人工細胞技術を応用して、デザインしたゲノムの機能発現を詳細に解析する純化されたin vitro系を構築し、次世代のゲノム編集技術の基盤構築を目指します。
東京理科大学
先進工学部
准教授
100メガベース級の超巨大DNAや、100個以上の遺伝子からなる大規模遺伝子回路を動物細胞内で構築することは、現状では大きな困難を伴います。本研究はショウジョウバエの染色体工学技術を活用して、不等交差を繰り返し誘導することにより、無数のDNA断片を個体内で階層的に組み合わせる新たなDNA構築法を開発します。これにより作業工程が指数関数的に高速化され、超巨大DNAの構築が可能になります。
東北大学
学際科学フロンティア研究所
助教
ヒト培養細胞において、リーディング鎖・ラギング鎖それぞれを合成するDNAポリメラーゼの使用度を全ゲノム領域に渡り算出する実験系を開発し、これらの使用度の変化から個々のレプリケーター領域(複製開始領域)の位置、活動を定量的に評価する方法を確立します。この解析から得られるデータを利用して、様々なゲノム上の要因がレプリケーター形成に寄与する仕組みを解明し、レプリケーターをデザインする技術基盤を構築します。
自然科学研究機構
基礎生物学研究所
准教授
効率のよい細胞融合・切離しシステムを構築し、染色体レベルでの長鎖DNAの導入、削除の手法を確立します。このことで、染色体の追加だけでなくそこから発現する一連の因子を一過的にのみ作用させることを可能にします。さらに、このシステムを利用して標的細胞の遺伝情報を維持したまま、分化細胞に高効率かつ迅速に多能性を誘導することを試みます。
東京大学
定量生命科学研究所
助教
長鎖DNAを介した遺伝子制御機構(DNAルーピング)を理解するために、エンハンサー・プロモーター間相互作用の中核を担うメディエーター複合体の構造を解明します。また、未だ明らかとなっていないエンハンサー領域のクロマチン状態を可視化するために、ヒストン修飾やエンハンサーDNA配列を含むヌクレオソーム、アクチベーター・タンパク質群を調製し、X線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡解析を行います。
北海道大学
創成研究機構化学反応創成研究拠点
特任准教授
DNAのクラスター形成は、高分子のミセル化と類似しています。本研究では、1)コヒーシンがアクティブにDNAの形状を縮めることと、2)その過程でスーパーエンハンサの間の結合が解離することを考慮に入れて、高分子のミセル化の理論を拡張し、定常状態でのDNAクラスターの大きさと転写レートの理論解析を行います。その成果に基づき、スーパーエンハンサによる転写制御のメカニズムを明らかにすることを目的とします。